93 とっくに立春すぎている…

明けています、なーんて今さら言える口がおめでたい。なんなら旧正月も終わりました。笑 いただきものの、かるかん(和菓子)がある。なぜならば、今週にグソーの正月、(グソーとは沖縄の方言であの世のこと)までも過ぎました。このブログの更新もなんと半年以上ぶりでとても驚く。

毎日の物事に追われたり、疲れたりしているうちに、何年もむげにしてしまった感情があると思う。感じる心、感情そのもの。最近、我が家ではAmazonプライムを契約した。テレビの前に座る余裕なんて、私にはないけれど、動画は子守をしてくれるのだ。ある日、せっかくだから映画を見てみようと思った。仕事中に聞いているラジオで面白そうと思ったタイトルはメモしていた。週に一本くらい見てみれた。当たり外れはあったけど、楽しい。映画はある意味、旅。日々の喧騒や雑事とは瞬時に違う世界へ行く。

今日観たものは、観たかったことをやっと思い出せた「日日是好日」。以前、染織の先輩も気になると言っていた。一緒に観れたら、その後の時間にどんな話をしたのだろうか。本はまだ読んでいない。この本が、世に生まれ、ずーっと前に好きで読んでいた漫画に出てきた「日日是好日」という言葉。映画のタイトルとして再開し、観て、身に沁みる。(ああ、語彙がない。)

公式サイトより

世の中には、すぐわかるものと、すくわかるものではなはいものがある。すぐわかるものではないものは、長い時間をかけて少しずつわかってくる。ただ、そういうもの。わかることはやり過ごし、分からないことは分からないままに、繰り返していくうちにわかっていくもの。そのような味わう気持ち、時間、それ自体を長いこと失っていた気がする。まがりなりにも、染めで美しいものを生み出す身なのに。気がつけたことが、ありがたい。嬉しいのだ。

また、昨年、実父も倒れた。身体に多くの名残が残り、サポートなしでは暮らせなくなってしまった。そんな父とも、コロナに憚られ、3年くらい会っていないのではなかろうか。もう、一緒に飲んだり、いろんな話をすることは叶わなくなってしまったのだけれど、生きていてくれることがありがたい。まだ会える。なにことにも決断が遅かったり、飛び込めていない私のことを待っていてくれているのだ、と思うことにする。加速度つけていかないと、何事も間に合わないよ。会いにいかなきゃ。

第五回ハチウクシー染織展のチラシ。今回は豪華気分な二つ折り!

もう、2週間も過ぎたが、私たちの”ハチウクシー染織展”の第五回も無事開催できた。4回目からはコロナ禍だ。来年はどうなっているだろうか。ここにも小さな歴史がある。会場となる染織工房バナナネシアは芭蕉布、芭蕉紙、紅型の工房だ。現在7歳になる次男が生まれる前、赤ちゃんの名前を書く紙に紅型を染めたくて、芭蕉紙を知り、福島夫妻に出逢ったのだ。独立したものの、出産や育児を並行しながら製作をしていた私の話を聞いてくれて、ともにこの地で展示会を開いてみようと集まったのが、ハチウクシー染織展だ。ありがたくて、思い入れもある。那覇から車で2時間という立地のの今帰仁村だけど、毎回たくさんの方々にご来場いただき、愉しんていただける。そんなお客さまに直接お会いできるのは、貴重なとき。今年は”茶道をやっているんです”という方がいらした。そうか〜としか思っていなかったけれど、今日映画を見て、茶道を続けている人への眼差しが尊敬に変わった。感情をみつめ、季節の移ろいを感じ、生きる。ただただ、素敵だったのだ。

昨年秋から、藍建てをしている。箱入り娘状態で、寒い今日も室内でぬくぬくさせている。それもこれも、思うところがいっぱい。また改めて、書き残してみようと思う。そんな今季の藍での、初めての藍型でポーチを仕立てていただいた。(サムネイルの写真)さっそくお気に入りとして私物にし、鞄の中でときめきを与えてくれる。こうゆう気持ちをもう、忘れたくない。日々は豊かで、しあわせなのだ。

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